2024欧洲杯官方_欧洲杯投注网站推荐
メディア?レポート
映画研究者?元NHKプロデューサー 池 純一郎氏による公開講義を行いました
6月20日(金)、本学の日本研究プログラムおよびグローバル?コネクティビティ領域の授業の一環として、映画研究者で元NHKプロデューサーの池 純一郎氏を招き、「The Politics of Looking: Reframing Reality in Japanese TV Documentaries」と題した公開講義を行いました。この講演は、日本研究プログラムが推進する、教室を超えた24時間学修の取り組みの一環として行われ、映画を題材としながら、その考察をとおして、現実に関する哲学的問いや、メディアによる捉え方(Reframing)と結びつけて考えるものです。

講演では多くの劇映画とドキュメンタリー作品からの例示とともに、映像分析の説明が行われました。映像分析の三つの要素として、ショット、編集、フレームがあげられ、劇映画とドキュメンタリーの違いを実作例とともに確認しました。これらの例は、私たちが世界を見る窓である「フレーム」の力と重要性を示すとともに、ドキュメンタリーにおける人為性や現実の捉えなおし(Reframing)を表すものとして紹介されました。池氏は映画監督の濱口 竜介氏の「カメラは『他者』である」という言葉を引用し、映画制作の観点から劇映画とドキュメンタリーに本質的な違いはないという考えを展開しました。
講演の終盤で池氏はNHKが制作したドキュメンタリーにおいて、現実がどのように捉えなおされているのかを、1950年代や70年代の過去の事例と2024年の作例を比較しながら、事例とともに分析しました。
特に、教室では戦後ドキュメンタリーの撮影に使われたカメラの実物を見ることができ、学生たちの注目が集まりました。手回し式で、一度に最大18秒ほどしか撮影できず、マイクもついていないものです。当時の技術の制約がありながらも、編集、音声、単片的な映像を寄せ集めて全体を構成することによって、ドキュメンタリーが現実を再構成する過程が明らかになりました。
講義には、約50名の教職員や学生が参加し、池氏は講演後、ドキュメンタリーの性質に関する参加者からの質問に答えました。学生からは、世界中のドキュメンタリーと比較して、日本のドキュメンタリーにユニークな点や特徴があるのかという質問が投げられました。池氏はまた、質の高いドキュメンタリーを見たいという参加者に、現在も精力的にドキュメンタリーを作り続けている90代のフレデリック?ワイズマンの作品などを推薦しました。
