教養専門科目群
グローバル?スタディズ領域
Global Studies Program: GS
広範な知識に裏打ちされた思考力、文化的感性、分析力を育む
グローバル化を生き抜くためには、広範な知識に裏打ちされた論理的かつ創造的な思考力?発想力を身につけなければなりません。そこで、本領域では学生に対して、各国や各地域の歴史、文化、社会、政治、経済をはじめ、国家間?地域間の関係、国際機関?国際組織の機能と役割、地球規模の現象や問題に関する様々な授業科目を履修することを求めます。学生は、知識の蓄積と深化に努めるとともに、学修活動への積極的参加を通して、従来の発想や価値観にとらわれない柔軟な考察?分析力を磨いていきます。
教員からのメッセージ
混沌の世界を生き抜き、雄飛することを目指して
今や世界は「混沌」の渦中にあるといって過言ではありません。1990年代初頭における冷戦構造の消失は、世界各地に様々な政治社会変動をもたらしました。同時に、インターネット等の科学技術の進歩は、高度情報化社会の出現を促し、人種、民族、宗教、国境などの垣根を超えた人やモノの行き来を地球規模で拡大させました。
一方で、人種や民族、宗教、政治?社会制度に起因する紛争や軋轢が世界各地で繰り返されてきたのも事実です。環境破壊や気候変動、パンデミックといった超地域的な問題が深刻になりつつあるなか、ついにはコロナ禍という地球規模的な危機にも見舞われました。反グローバリズムの台頭や、国際関係の力学的変化も見逃せず、AIの出現とデジタル化の進展は人類社会のありように劇的な変化をもたらしつつあります。

こうしたなか、我ら人類は個人として集団としての生き方を問われているのやもしれません。人がその性ゆえに自身の幸福や富貴を欲するのは当然のこととしても、私利私欲の追求ばかりに専心することを是とするわけにもいきません。渋沢栄一が「社会の一員、国家の一民たる以上、何人も一国一郷に対し我がものであるとの覚悟を持たねばならぬ」と述べたように、我々には社会、国家の成員として、さらには地球社会の責任ある一員としての自覚をもって思考し、行動することが求められているのではないでしょうか。
本領域は、各国?地域の歴史、文化、社会、政治、経済をはじめ、多国家?地域間関係、国際機関?組織の機能と役割、地球規模的諸問題に関する科目を提供し、学際的知見に裏打ちされた思考力と行動力を備え、自国のみならず人類社会に広く貢献できる有為な人材の育成を目指します。
水野 智仁 Dr. Norihito MIZUNO
グローバル?スタディズ領域長/教授
学生インタビュー
佐藤 咲羽(山形県/2021年入学)
GS領域を選んだ理由と面白さ
日本の社会格差――生まれた場所や環境、性別などが理由で平等なチャンスが担保されない状況に対し、自分には何ができるかを考えていました。その中で、まず国際社会における日本の立ち位置を俯瞰したり、他国の問題を検証したりして視座を高める必要があると感じ、GS領域を選びました。授業で実感したのは、国際政治や歴史などの話題を英語で論じる難しさ。特に、アジアの歴史は日本人の持つ前提と違う文脈で語られることも多いため、アジア圏の留学生に頻繁に話を聞き、彼らの国での一般的な解釈について知るように心がけました。また、戦争の歴史に関しては、留学生や教授との議論が最も白熱する話題であり、各国の歴史解釈の違いやその背景を紐解けたときに学びの広がりを感じました。

AIUを目指す皆さんに伝えたいこと
秋田で世界とつながり、ローカルとグローバルを行き来する経験は、AIUでしか得られないものです。留学も含めAIUで過ごした4年間は、特に東北で生まれ育った自分にとって、自分自身と故郷を見つめ直す大切な時間になりました。秋田という立地をハンディキャップとして捉えるのではなく、地域と世界の狭間であなただけが実現できる価値を考え、勇気を持って行動してください。そんな人が、これからの社会を変えていく人だと信じています。
